昌幸、信之、信繁は官位を得たことで何を得、何を失った?(『真田丸』を見て162)
- 2016/07/17
- 14:19
とりは大往生を延期してまで言って聞かせたのに、早くも信之は(『真田丸』を見て159)でご紹介したように、『NHK大河ドラマ 真田丸』第27回放送『不信』では、。文禄3年(1594年)11月2日に真田信之は従五位下伊豆守、真田信繁は、従五位下左衛門佐を叙任されたことが描かれました。
また、ドラマでは描かれませんでしたが、叙任されたのは、兄弟だけではありません。
父:昌幸も従五位下安房守を叙任されています。
この叙任により、ドラマでは信之が信繁に激しく怒る様子が描かれました。
実際にはそのようにあからさまに怒ったなどという事実はなかったと思いますが、二人はこれにより何を得、何を失ったのでしょう?
それにはまずただ階級を示す「従五位下」ではなく、それ以後の伊豆守、伊豆守、左衛門佐という呼称の示す役職について知る必要があります。
以前にもご紹介したと思いますが、官位はもともと律令制において公家らに与えられるものでした。
武士が権力を得るようになって以後、武士に与えられた官位は、公家のそれに比べれば形骸化した形式的なものでしたが、武士階級の序列を示す意味では重要なものでした。
まず信之と昌幸に与えられた伊豆守、安房守ですが、○○守というのは、真田家の官位について解説。左衛門佐や伊豆守の意味は ...によれば、
国司=調停の派遣する地方行政官の呼び名で、現代の知事に相当しますが、実際には領土とは関係なく任命される事もよくあり、昌幸も信之も、それぞれ安房(千葉県南部)や伊豆(静岡県東部)を治めたことは一度もありませんでした。
一方、信繁に与えられた「左衛門佐」(さえもんのすけ)という官位ですが、
一方、信繁に与えられた「左衛門佐」(さえもんのすけ)という官位ですが、
ドラマでは信繁本人が「源義経が左衛門尉(さえもんのじょう)だったのにあやかり、義経が兄:頼朝を支えたように、私も兄上をお支えしたいと思ったのです。他意は有りませぬ。」と兄:信之に語っていましたね。
ひょっとするとそういう意味合いもあるのかもしれませんが、
これは簡単に言うと都の左側の門を守るための役職を意味するそうです。ただ、門を守る役職にも色々とあり、左衛門佐は門を守るトップ(左衛門督)を補佐する役職だそうです。
言うまでもなく、左側の門を守る役職があるという事は、当然右側の門を守る役職があるという事になります。
信繁らの年代以前に信繁と同じ左衛門佐とされた人物としては、小早川隆景があげられます。
信繁らの年代以前に信繁と同じ左衛門佐とされた人物としては、小早川隆景があげられます。
小早川隆景は、第27回放送『不信』でも描かれていた秀次の兄弟:秀俊(小早川秀秋)が養子に出された毛利家の武将で、彼は、中国地方の大大名である毛利本家の毛利隆元とは実の兄弟です。
そして信繁が左衛門佐となった当時の上司は、左衛門督の秀俊(小早川秀秋)です。
以上のような事実関係からしても、小国の次男坊でしかない信繁が左衛門佐に叙任されたことが、いかに大抜擢であったのかが伺えます。
私には当時の事は分かりませんが、ひょっとすると現在の知事にあたる○○守よりも左衛門佐の方が偉いのかもしれませんね。現在で言うなら中央官庁の長官や大臣に相当するのですから。
ちなみにドラマの中で信繁が語った源義経の役職:左衛門尉は、左衛門佐の下の役職だそうです。
しかも信繁には、従五位下左衛門佐が叙任されただけでなく、、豊臣姓も下賜されていますから、ドラマで描かれたように、お兄ちゃんが怒るのも無理もないことなのかもしれません。
ではなぜこのような破格の官位を信繁は得ることができたのでしょう?
勿論それは信繁本人の能力を買われてのことだったのでしょうが、その影には、岳父の大谷吉継とその母である東殿の意向が反映されてのことだったそうです。
ドラマではまだ大谷吉継の娘:春が信繁の正室とはなっていませんが、二人が結ばれる以前に吉継が婿殿の階級を上げたということなのでしょうか?豊臣家の譜代大名である大谷家と釣りあいがとれるようにと。いや、岳父の大谷吉継とウィキぺディアの記述にある以上は、既に婚儀は成立していたのかな?
かくして、真田親子は官位を叙任されたことで得られたものは、破格の階級であり、失ったものは、豊臣という大きな勢力に取り込まれてしまったために、自国のために自由に道を切り開く戦国武将としての魂と、兄弟の絆だったのかもしれません。少なくともこの時点では。
あっそうそう、正室:春(竹林院)も、官位を叙任されたことで得たというこになるのかな?
大谷吉継の娘:春と信繁の出会い
スポンサーサイト
情報
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


